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安息日はユダヤ人のため?其の一

  • 2017年12月7日
  • 読了時間: 5分

Q.安息日って、ユダヤ人のためのものじゃないの?

「あなたはかつてエジプトの国で奴隷であったが、あなたの神、主が力ある御手と御腕を伸ばしてあなたを導き出されたことを思い起こさねばならない。そのために、あなたの神、主は安息日を守るよう命じられたのである。」申命記五章一五節

安息日が週の七日目であることは、聖書の証言を見れば明らかです。聖書のどこを探しても、安息日が七日目から他の日へ変更されたという記述を見つけることはできません。それは多くの学者たちも同意している事実です。

しかし教会の中で議論が分かれるのは、その第七日目安息日を現代のクリスチャンが守るべきかという問題です。多くのクリスチャンたちが、「確かに聖書には、安息日が七日目だと書いてある。だけど、それはユダヤ人のための律法であって、現代のクリスチャンが第七日目安息日にこだわる必要はないんだ」と考えているわけです。そこで今回は、そのような主張の根拠として度々持ち出される申命記五章一五節を読みながら、この問題について検討してみましょう。

「あなたはかつてエジプトの国で奴隷であったが、あなたの神、主が力ある御手と御腕を伸ばしてあなたを導き出されたことを思い起こさねばならない」。これはモーセが亡くなる直前に、エジプトでの奴隷時代を経験していない第二世代のイスラエル民族に向けて、改めて神の戒めを伝えている場面です。ここでいう「あなた」とは誰のことでしょうか。言うまでもなく、イスラエル民族のことです。エジプトの奴隷として苦難を受けていたイスラエル民族を、神は驚くべき力によって救い出してくださった―その御業を忘れてはならない、と言うのです。

注目するべきは、その次の言葉です。「そのために」つまり、出エジプトという歴史的出来事をイスラエル人たちに思い起させる目的で、「主は安息日を守るように命じられた」ということです。したがって、安息日制定の目的はイスラエル民族の特殊な状況にだけ当てはまるものであり、ユダヤ人以外の人々が安息日を遵守する必要はない、というのが多くのクリスチャンの主張です。

この箇所を正しく理解するには、並行箇所である出エジプト記二〇章の記述と比較してみる必要があります。出エジプト記二〇章における十戒第四条の記述は、申命記のそれと比べると主に三つの違いがあります。

①出エジプト記では、安息日を「心に留め」(ヘブル語で「ザコル」)とあるが、申命記では安息日を「守って」(ヘブル語で「シャモル」)とある。

②出エジプト記では安息日を守る根拠として天地創造を挙げているが、申命記では出エジプトの出来事について書かれている。

③申命記では、安息日に奴隷を休ませることについて特に言及されている。

まず①から見てみましょう。シナイ山で十戒が与えられたとき、神様は安息日を「心に留めよ」とおっしゃいました。このヘブル語で「ザコル」という言葉は、「思い出せ」と訳すこともできます。知らないものを、心に留めたり思い出したりすることはできません。

シナイ山でイスラエルの民に十戒が与えられた時、人々はすでに安息日について知っていたはずなのです。つまり安息日は、多くの人々が主張するように、シナイ山においてイスラエル民族に初めて与えられた制度ではありません。実際、荒れ野でマナが降った時、十戒が与えられる以前であったにも関わらず、神様は安息日についての指示を人々に与えています。

それまで奴隷として休みなく働き続けてきたイスラエルの民に、神は「休息の日」として「主の聖なる安息日」を与えられました(出一六章二三節)。しかし、神様はそこで新たな制度として安息日を制定したわけではなく、長い奴隷生活の中で安息日を忘れてしまっていた人々に、その祝福を思い起こさせようとされたのです(申命記の「シャモル」については③と一緒に取り上げます)。

では、安息日はいつどこで、誰のために制定されたのでしょうか。②を見てみましょう。出エジプト記二〇章八−一〇節で、安息日の戒め-六日の間働いて、七日目に休むようにとの指示-が与えられたあと、ヘブル語の原文では「なぜなら」という接続語が入ります。なぜ六日の間働いて、七日目に休むのか。その理由は、「なぜなら」に続く部分、つまり天地創造の出来事にあります。神が6日間で天地を造られた後7日目に休まれ、安息日を祝福して聖別されたから、わたしたちも神にならって安息日に休むのです(創世記二章一〜三節)。

出エジプト記の記述が明らかにすることは、安息日の起源が天地創造だということです。そして安息日が天地創造の時に定められた以上、ユダヤ人だけのものであるはずはありません。天地創造が終わった時点では、イスラエル民族の父であるアブラハムは、まだ存在すらしておらず、全人類の祖先であるアダムと女しかいなかったのですから。安息日は天地創造が完成された時、神によって全人類のために制定されたのです。

天地創造から出エジプトまでの間に、安息日が守られていたという記述が聖書に一切ないことを指摘して、シナイ山で十戒が与えられるまで安息日はなかったのだと主張する人々がいます。しかし、十戒の条項がシナイ山以前にも有効であったことは明らかです。「殺してはならない」という戒めが与えられるよりも前から、人の命を取ることは道徳律の違反とみなされましたし、姦淫についても同様でした(創世記四章十七節、十二章十七〜十八節)。

十戒の他の条項が有効であったのに、第四条だけがシナイ山以前は無効だったと考えるのはおかしな話です。安息日の起源は明らかに天地創造なのですから、安息日が天地創造の時以来(つまりユダヤ民族が存在する前から)続いていたと考えるのが自然ではないでしょうか。

続く…

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